最近、教育旅行業界でよく耳にするようになった「探究」という言葉。
旅行会社や修学旅行の受入施設に「探究的な学習」ができるようなプログラムはないか?という学校からの問い合わせも増えてきました。
生徒自らが問題意識を持って、解決策を探っていく、この「探究」。
高校の授業は実際にどう変わり、どんな効果が期待されるのでしょうか。
目次
そもそも「総合的な探究の時間」とは?
「総合的な探究の時間」は学習指導要領の改訂にともなって2022年度から登場した授業です。
具体的には、高校のカリキュラムに組まれている「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」に変わることになりました。
授業は、情報収集や情報分析力を培わせることを目的に、学習者が主体的にテーマを決定、それを解決する形式に基づいて行われます。
引用元:高校での探究学習について詳しく解説| (studystudio.jp)
今、修学旅行に求められる「探究的な学習」
探究学習では、「自然体験や就業体験活動、ボランティア活動などの社会体験、ものづくり、生産活動などの体験活動などの学習活動を積極的に取り入れること」とあるように、体験活動を通して学ぶことが求められています。
しかしながら、学習指導要領にあげられているような体験活動を、学校内だけでおこなうことはとても難しいといわれているため、修学旅行などの「特別活動」において、以前からこのような体験活動がおこなわれてきました。
そこで学校は、修学旅行での体験活動に「探究的な学習」の要素を加えることで、「総合的な探究の時間」で必要とされている条件を満たそうとするわけです。
引用元:修学旅行に「探究的な学習」が求められる理由とは?│トラベルボイス(travelvoice.jp)
おすすめの探究学習プログラム5選
たとえば、修学旅行で学んだことをグループごとに話し合い、その内容をまとめて発表し、それについてクラス全体で議論する、という過程で「整理・分析」、「まとめ・表現」の実践、そしてその成果を生み出すことができます。
本記事では、「総合的な探究の時間」に導入できる、企業や団体が作成した「探究学習プログラム」のおすすめ5選の情報をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
1:NOLTYスコラ 探究プログラム
NOLTYスコラ 探究プログラムとは、高校3年間の総合的な探究の時間をサポートする教材です。
付属の探究ノート・指導書・授業用スライド・指導用動画をつかうことで安心して授業を行うことができます。
★特徴:「NOLTYスコラ」オリジナルのフレームワーク!
「生徒の興味関心」⇒「課題設定」⇒「情報収集」⇒「整理分析」⇒「まとめ表現」⇒「振り返り」
★point:課題設定からスタートではなく、周囲や世の中に興味を持つことから探究をスタートさせるところ!
プログラム名 | NOLTYスコラ 探究プログラム |
運営元 | 株式会社 NOLTYプランナーズ |
本社 | 東京都中央区新川1−4−1 住友不動産六甲ビル 3階 |
お問い合わせ | お問い合わせページ | 株式会社NOLTYプランナーズ (noltyplanners.co.jp) |
HP | NOLTYスコラ 探究プログラム|探究の練習から進路まで (noltyplanners.co.jp) |
2:地域探究プログラム
高校生の体験活動を通じた成長を目指し、「探究」の手法を用いて学習を深める制度で、カリキュラムを通じて「探究のプロセス」を学びます。
カリキュラム1コマの時間も授業時間にあわせて50分とするなど、授業へ位置づけやすいよう工夫をしています。
カリキュラムの実施にあたっては、講師となる地域活動の実践者の紹介や連絡調整、施設職員による先生方の指導補助など、先生方の授業をサポートします。
★特徴:取り組みが段階的に分けられている!
・ステップⅠ「地域探究トライアル」
・ステップⅡ「地域探究アワード」 から構成されています。
★point:「地域探究トライアル」では「探究」の学びと実践を、そして「地域探究アワード」では意欲の高い高校生向けに実践活動の顕彰を行います。
プログラム名 | 全国高校生体験活動顕彰制度「地域探究プログラム」 |
運営元 | 国立青少年教育振興機構 |
本社 | 東京都渋谷区代々木神園町3番1号 |
お問い合わせ | お問い合わせ (niye.go.jp) |
HP | 「地域探究プログラム」について (niye.go.jp) |
3:locus(ローカス)powerd by マイナビ
locusは、「企業の課題解決事例から自己を見つめる総合探究」として、企業の繋がり(サプライチェーン)やイノベーションの事例をヒントに、地域や社会の課題解決を考える、高校生向けの学習プログラムです。
★特徴:学習プランは2種類!
・フィールドスタディプラン (エリア限定)
…企業の「課題解決」や「サプライチェーン」の事例について、3時間程度の企業訪問にて、会社説明・社内見学・質疑応答などを通して学びます。
・ケーススタディ動画視聴プラン
…世の中の様々な課題について知り、企業の解決事例を動画で学びます。
★point:locusのフィールドスタディプログラムは、2018年度・2019年度に経済産業省「未来の教室」実証事業で得られた成果をもとに構築されています。
プログラム名 | locus(ローカス) |
運営元 | 株式会社マイナビ Mynavi Corporation |
本社 | 東京都千代田区一ツ橋一丁目1番1号 |
お問い合わせ | locus (mynavi.jp) |
HP | locus(ローカス)-マイナビ|学校関係者の方 (mynavi.jp) |
4:クエストエデュケーション
2005年にスタートした、現実社会と連動しながら「生きる力」を育む教育プログラムです。
生徒たちは、実在の企業からのミッションに取り組んだり、社会課題に向き合ったり、ゼロから商品開発に取り組んだりと、教室の中にいながら、現実社会につながるテーマに取り組みます。
すでに、全国37都道府県で300校が導入*しており、探究学習プログラムでは日本最大規模です。*2022年4月時点
★特徴:はじめてから社会実践までの13種のラインナップ!
「企業探究コース」「進路探究コース」など、生徒たちが主体的に学ぶ意欲が生まれるように設計された13種のプログラムが用意されています。
★point:1プログラムから実施可能で、目指したい生徒像や身につけたい力、関心のあるテーマに応じて、最適なプログラムを自由に選択し、学校独自のカリキュラムをつくることが可能です。
プログラム名 | クエストエデュケーション |
運営元 | 株式会社 教育と探求社 |
本社 | 東京都千代田区四番町4-9 東越伯鷹ビル 6F |
お問い合わせ | 教育と探求社 EDUCA&QUEST | お問い合わせ (eduq.jp) |
HP | クエストエデュケーション 全国の中学校・高等学校で導入されている、新時代の探究学習プログラム | 教育と探求社 EDUCA&QUEST (eduq.jp) |
5:ミライ研(河合塾未来研究プログラム)
「未来」を学びの素材とした、進路探究のプログラムです。
自分と未来の間を探究し、つなげていくことで、将来のイメージを膨らませ、進路の可能性を広げます。
そして、未来に向き合いながら、自分の大切にしたいことや価値観を理解し、ひとりひとりが納得のいく選択ができることを目指します。
★特徴:「3つのプログラム*」と定期的な「教員向け勉強会」をご用意!
1.ミライの選択 -進路選択の「決め方」を学ぶ-
2.ミライの洞察 -集めた兆しから未来の社会を創造する-
3.ミライの科学 -先端科学を題材に社会問題分析-
★point:教員向けに総合的な探究や進路探究への理解を広げるイベントを開催しています。
プログラム名 | ミライ研(河合塾未来研究プログラム) |
運営元 | 河合塾グループ(株式会社KJホールディングス) |
本社 | 東京都豊島区東池袋四丁目21-6 第3キンズメンビル4階 |
お問い合わせ | お問い合わせ | 河合塾グループ (kawaijuku.jp) |
HP | ミライ研(河合塾未来研究プログラム) | 教育研究開発活動 | 河合塾グループ (kawaijuku.jp) |
【pick up!】びわ湖での探究学習「ヨシストロー作り体験」
立命館大学 経済学部 環境経済学「寺脇拓ゼミ」のSDGs推進プロジェクト『ヨシストロー』の普及活動の取り組みを、共同で体験プログラム化!
SDGs達成に向けた環境づくりのために、地域の資源をどのように活用し社会に広めていくのか、大学生の素敵なアイデアから学びます。
探究のポイント
・旅マエ:自分の住む地域の現状・課題について調べる
自分の住む地域で未利用の資源がないか調べる
・旅ナカ:プラスチックごみなどの環境問題の現状について学ぶ
地域の資源の活用方法やアイデアを生み出す力を学ぶ
SDGs12の「つくる責任、つかう責任」の観点から、作って終わりではなくどのように普及させるかを学ぶ
・旅アト:体験の振り返り(体験前後の気持ちの変化など)
2030年に向けた自分の行動目標の作成
プログラム名 | 探求学習「ヨシストロー作り体験」 |
運営元 | BSCウォータースポーツセンター |
本社 | 滋賀県大津市南船路4-1 |
お問い合わせ | 【学校向け】ヨシストロー作り体験学習 | (bsc-int.co.jp) |
HP | 滋賀・琵琶湖の自然体験学習施設 BSCウォータースポーツセンター (bsc-int.co.jp) |
まとめ
様々な「探究学習プログラム」の中から、おすすめの5選をご紹介いたしました!
「探求」を通じて、この先大きな壁や困難にぶつかっても、ワクワクしながら解決に向かう心と能力を養うことができ、これからの世の中を明るく生きていける術が学べるのでは、と感じました。
生徒様が、自分自身の興味関心のあるものを、とことん探究していってほしいですね!♪