取材の裏話★比叡山延暦寺の小林様に迫る!
前回、比叡山延暦寺様の取材レポートを配信いたしました。
今回は、そこでは書ききれなかった小林様からの貴重なお話しをお送りいたします!
インタビュアー:比叡山延暦寺 参拝部事務長 小林 福一 様
山本:お忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございます!
本日は何卒よろしくお願いいたします!
まず、小林様についてお伺いしたいのですが、
比叡山延暦寺で働くことになった経緯について教えてください。
小林様:比叡山延暦寺で働きはじめて43年になります。
地元の比叡山高校在学中に、アルバイトしていたというご縁がありました。
高校卒業後は、東京で舞台芸術や番組制作を勉強できる放送芸術の専門学校に通ってました。
僕らの時代は安定した銀行員に就職するのが主流だったが、
自分の人生の中で、変わったことがしたい!と思い上京を決意しました。
授業の基本は、テレビ関係の機材を動かしたりの実践だったが、
日本舞踊やクラシックバレエの授業など異様なものもあり、
レオタード着るのは抵抗ありました・・・まあ経験かなあ(笑)
就職活動の時にちょうどオイルショックで大変で・・・
比叡山延暦寺はアルバイトで勉強もさせてもらい、お世話になったこともあり就職を決意しました。
・・・
山本:なるほど・・・!ありがとうございます!
次に、小林様にとっての”比叡山延暦寺”について教えてください!
小林様:
1.滋賀県で世界遺産は比叡山延暦寺だけ!
・・・世界的にも知名度、ネームバリューがある滋賀県のランドマーク的な存在です。
比叡山に来たら石山寺や湖東三山にも行けるしクルーズもできる
=滋賀県の教育旅行は比叡山に絡めて色んなところに来ていただくことができるんです。
2.比叡山は「人づくり」「国づくり」でスタートしてる
・・・例えば会社組織において、社長が素晴らしくても、
他の社員がええ加減なことしたら会社が違う方向にいきますよね。
いろんなセクション、部署の人が自分のやるべきことに一生懸命努力することで会社が成り立っています。
(鬼滅の刃じゃないけど…(笑)水の呼吸のように、常日頃集中することが大事。)
”あの人がいるからこの仕事ができたなあ”と思えるように。
1人の力では限界があるため、みんなが力を合わせる人になりましょう。
このような比叡山ならではの教えを、法話の中でも子供たちに話すことができます。
3.”不滅の法灯”はみんなのおうちにもある?!
・・・僕が案内するときには、みんなのおうちにも”不滅の法灯があるんだよという話をするんです。
目には見えないかもしれないが、父母や祖父母からの
家風、風習、物の作り方、育て方、商売のいろんなノウハウなどなど・・・
自分が習ったことは、それを次世代につなげていくことで、不滅の法灯となっていくんです。
山本:勉強になります・・・!最後に、
教育旅行の受け入れを行う際に考えていることについてお聞かせください。
小林様:
1.「京都や奈良で宿が取れないから、滋賀県を行先として選ぶ」を全く逆にしたい
・・・滋賀に来るついでに、京都や奈良を選んでもらうようになれば。
理由①:滋賀の宿泊施設は部屋の間取りが違う。ホテルはほぼ同じだが和室は廊下も広いように思う。
理由②:食事内容が豪華。特に精進料理は見直されて、
肉や魚を使わずに、湯葉やゴマ豆腐からタンパク質を接種することができるのも良い
2.先生方やエージェント様に求めることは「思い出づくりのお手伝い」
・・・「教育」って難しいよね。字のごとく、教える、育てるの「育てる」がお粗末になりがち。
なんでも子供たちにやらす、それぞれの場所でスタッフにまかせて見てるだけ・・ではどうかなあ。
先生も添乗員さんも一緒になって行うことで、子供たちもやろう!となると考えます。
3.観光地は急ぎ足でいかない
・・・年月が経つと、「ここって行ったことあるっけ?」と必ず記憶は無くなっていく。
坐禅を組んだり、法話を聞いて「足が痺れて痛かったなあ。」と記憶に残りますよね。
そういう意味では、比叡山延暦寺を周るのは最低でも1時間~1時間30分必要です。
戦国時代は大変だったんだろうなあ、こうやって立ち直ったんだなあ、
といろんな思いを馳せながらその地を巡ることで、学校では学べないことを体験することができます。
~取材を終えて~
比叡山延暦寺までの道のり、「奥比叡ドライブウェイ」に入った時から
比叡山延暦寺に踏み入れた時まで、山寺ならではの空気が変わる感じを今でも覚えています。
小林様からのお話し、比叡山延暦寺での体験は、
”将来大人になって、人生悩んだ時にふと思い出す”
そんな御教えであると感じました。
小林様、貴重なお話しをありがとうございました!