今再注目の「冒険教育」とは?│OUTWARD BOUND JAPAN

世界33か国約220の拠点をもつ、冒険教育機関「アウトワード・バウンド」

コロナ禍を乗り越えた今、日本の青少年育成“冒険教育”が再注目されています。

引用元:公益財団法人日本アウトワード・バウンド協会 | (obs-japan.org)

アウトワード・バウンドとは?

アウトワード・バウンドは、1941年にイギリスで発祥した世界33ヵ国220箇所以上の拠点を持つ非営利の冒険教育機関です。

日本においては、1989年に長野県小谷村常設校を開校しました。

それ以来、約34年間で3万5千人以上の方々がアウトワード・バウンドのプログラムを体験しました。
アウトワード・バウンドは主に自然を舞台にしたチャレンジングな冒険活動に取り組み、そこから自己に秘められた可能性他人を思いやる気持ちなどの豊かな人間性を育むことを目的に活動しています。

学校における「冒険教育」とは?

アウトワード・バウンドの提供する体験学習は、日常にないほど大きく強く心を揺さぶります。それは日々の学校生活では気づけない自分の姿を感じることであり、 仲間の意外な姿を知ることになります。

アウトワード・バウンドの体験学習は、一人ひとりが生き生きと学校生活を送るきっかけとして、短期間で劇的な成長を期待できるプログラムです。

アウトワード・バウンドの教育の在り方

体験学習の循環過程を回す学習法は、下記4つのサイクルで成り立っています。

(1)体験(experience)

屋外や教室で行われるグループでの課題解決実習。長距離ハイク、ロッククライミング、沢登り、登山、いかだ など自然の中での活動。

(2)指摘(identify)

様々なチャレンジ、実習の中で何を話したとか、どのようなことをしたか、どのような結果だったか、ということ(コンテント)だけでなく、どのように取り組んだのか、活動中にどのような行動を取ったのか、自分自身、ほかの参加者、自分と相手の関係など、どのようなことが起こっていたのか(プロセス)を確認するステップです。

(3)分析(analyze)

指摘(identify)で確認したプロセスはなぜ起こっているのか。

自分自身の中にある意識、自分自身や他者のあり様の特徴、グループの状況がなぜ起こっているのか、それぞれがどのような意識で関わっているのかを考察するステップです。

そして、自分自身がどのように在りたいのか、グループをどのように成長させたいのか、人が成長するとは何か、グループの成長とは何かを考え、検討します。

(4)仮説化(hypothesize)

分析(analyze)で考察したことを活かし、自分自身やグループの成長のために、次の機会または新しい場面で、学習者自身が具体的に試みるための行動目標を考えるステップです。

仮説化を通して、行動目標を計画し、実際に行動に移しやすくします。仮説化の後は再び体験に戻ります。

野外プログラムって安全なの?

野外での活動にはリスクが伴います。

しかし、アウトワード・バウンドはそのリスクを認知し、最小化することで安全を確保しています。具体的に以下のような取り組みを行っています。

(1)全世界で統一された基準に基づく監査(プログラム・レビュー)を 2 年に 1 度実施

アウトワード・バウンド・インターナショナ ル(OBI)が実施するこのプログラム・レビューでは海外から監査人が来訪し、コースの安全性はもちろん、組織全体の安全に対する意識や装備・車両の管理など、様々な視点から総合的に監査を行います。

(2)外部専門家で構成された安全委員会がある

安全委員会のメンバーは、より安全にコースを行うためのアドバイスや改善の提案を行います。

(3)プロフェッショナルなインストラクターたち

インストラクターは、活動を安全に実施するための厳しいトレーニングを受けたプロフェッショナルで、全員が救急法の資格と技術を持ち、活動中の安全確保を行っています。

(4)事前の健康情報、アレルギー等の調査を詳しく行う

自然環境下での活動を行う場合は、アンケートの実施、コース終了後にも必要に応じたフォローアップを含め、安全には細心の注意を払っています。

どんな体験があるの?

冒険教育プログラム

(例)冒険的活動を取り入れたキャンプの実施

チームでの課題解決型のチャレンジ、長距離ハイク、ロッククライミング、沢登り、登山、いかだ・・・様々な冒険の場は、自分自身と向き合う機会となり、本気になって仲間と関わり、本音で語り合う場となります。

その中から自己信頼、相互信頼を築き学校生活の学びの場が充実したものとなります。

体験学習プログラム

学校内で実施できる体験学習の実施

課題解決実習を中心としたプログラムでは、グループワークによるコミュニケーション、協働はもとより課題解決に向けた状況判断・状況対応が求められます。

グループの一員としての責任、課題への取り組み姿勢、グループやメンバーへの関わりなど、学校生活に直結するテーマにフォーカスしたふりかえりでは体験の日常化を図ります。

場所はどこにあるの?

■アウトワード・バウンド長野校/白馬周辺エリア(長野県北安曇郡小谷村)

《主たる宿泊地》
OBS長野校宿舎、小谷・糸魚川・白馬地区のホテル、ペンション・民宿、キャンプなど

■美方高原自然の家(兵庫県美方郡香美町)

《主たる宿泊地》尼崎市立美方高原自然の家「とちのき村」宿泊棟、またはキャンプ場など

まとめ

子どもたちの社会への出航準備として最適な「冒険教育」を、教育旅行に取り入れてみるのはいかがでしょうか?

引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。