【速報】今後の修学旅行のあり方に関する調査まとめ│教育旅行年報データブック2024(日本修学旅行協会発行)より

2024年12月1日、公益財団法人日本修学旅行協会より「教育旅行年報データブック 2024」が発行され、2023年度に実施した全国修学旅行調査(中学校・高等学校)が公開されました。

2023年といえば、5月にコロナが5類に移行しほとんどの学校が2023年度の修学旅行を無事実施した後の調査でもあります。

本記事では、その中から「今後の修学旅行のあり方に関する調査まとめ」に着目をして…

  • 2023年度の実施結果からどのような変化があったのか
  • 今後の教育旅行においてどのような変化があるのか

下記3つの項目に分けて新たな課題今後の傾向を考察していきたいと思います!

*引用元:教育旅行年報「データブック2024」│公益財団法人日本修学旅行協会

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調査概要について

■調査実施時期:2024年3月~4月

■調査校数と回答率:【表ー1】を参照

(1)実施方面・時期・日程に関する変化

中学・高等学校ともに「国内の異なる方面へ変更」「実施時期の見直し」が30%以上という結果になった。

その理由・背景として挙げられるのが「旅行費用の上昇」である。

中学校

京都・奈良を中心とする近畿方面、および東京・千葉を中心とする関東方面での実施が多いことと関連しており、これらの地域では、観光客の増加による宿泊費や貸切バス等の交通費の上昇が著しく、経済的な負担を増大させている。

高等学校

国内の実施は沖縄、近畿、関東、北海道など、海外も含めると多様である。

「方面選択制にする(海外・国内、国内複数方面により選択など)」という回答の割合も高いことから、各家庭の経済状況に配慮しながら、行先を選択できるように修学旅行を実施しようという動きもみられる。

【2024最新】令和6年度「教育旅行」に関する全国の助成金情報まとめ!

(2)修学旅行の実施方法に関する変化

こちらも中学・高等学校ともに「見学地・体験活動の見直し」が30%以上という結果になった。

その理由・背景としては、コロナや物価上昇などの外部的影響を受け、従来の修学旅行を見直し、旅行費用を抑えながら生徒の学びにつながる新たな形を模索している学校が増えていることを示している。

中学校では「交通手段を変更」が2番目に多く、下記のコメントから今後の課題がうかがえる。

●航空機:物価高騰による旅行費用の上昇傾向で航空機は利用できない、地域によっては便数が少なく利用しにくい

 

●貸切バス・貸切タクシー:ドライバー不足の影響もあり費用が高騰かつ予約が取りずらい

 

●JR連合体:日程の制限があり利用しにくい

特に、貸切バスの費用高騰・ドライバー不足の問題については、修学旅行実施において大きな課題となっている。

貸切タクシーの問題についても、修学旅行ではオーソドックスである京都でのタクシー自主研修の実施が難しくなるなど、従来の修学旅行のカタチに変化が起きている要因の1つともいえる。

☑「公共交通機関」の利用に着目!

近畿エリアでは「JR京都駅」からバスで見学地・体験活動地に行っていた学校も、JRや京阪電車を利用して班別行動するなどの行程も多く見るようになった。

また、バス代金高騰による学校行事の機会損失を無くすべく、教育旅行における公共交通機関の利用促進を目的とした支援金事業を行う施設も出てきている。

【支援金のお知らせ】BSCへ”公共交通機関”を使ってお越しいただいた場合「生徒1人あたり200円」支援いたします

(3)体験内容に関する変化

中学・高校ともに「探求型プログラムの実施」の割合が高く、特に中学校では「総合的な学習の時間」や「総合的な探究の時間」との連携を強化させる学校が多いことが推察される。

修学旅行を学校内ではできない体験活動と教科の枠を超えた探究の場として捉え、生徒たちの探究心や主体性を育む取り組みが重視されていることがうかがえる。

また、その影響もあってか、特に探究学習にふさわしい「SDGsをテーマにしたプログラム」の実施や「キャリア教育の要素を取りいれる」という項目も高い割合となっており、修学旅行を本格的に学習指導要領に沿った特別活動にしていこうという意識の高まりがみられる。

【最新】今、最注目の「探究型教育旅行」のおすすめプログラム4選!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「withコロナ」を経て、修学旅行のあり方が大きく変わった1年でもありました。

従来の行先や実施時期などはなかなか変えることが難しいと思われていましたが、先生方の柔軟な対応力や、旅行会社の営業担当の一歩踏み込んだ提案により、修学旅行はさらにより良いものになっているといえるのではないでしょうか。

旅費の高騰やバスのドライバー不足など今後の課題もまだまだありますが、コロナ禍でこの変化を乗り越えた経験を糧に、修学旅行に携わる全員でアイデアを出し合いながらと乗り越えていきましょう!

次回以降は、【中学校編】と【高等学校編】に分けて、さらに細かく読み解いていきたいと思います♪

よいお年をお迎えください♪