(公社)日本修学旅行協会より、「教育旅行年報データブック 2023」が発行され、修学旅行に関する最新情報が公開されました。
本記事では、その中から、「2022年度実施の国内修学旅行の実態(中学校編)」についてまとめました。
【2022年度実施の修学旅行の実態まとめ(中学校編)】
★ほとんどの学校が修学旅行を実施することができた
★実施時期は、特に国公立において秋の実施が増えたりと、幅広くなった
★修学旅行の行先は、コロナ禍を経て北陸、四国、中部地方などの新たな選択肢がうまれた
コロナ禍が明け始めた2022年度は、コロナ以前と比較してどのような変化があったのでしょうか?
下記、5つの項目に分けて実態をまとめましたので、是非最後までご覧ください。
※本記事の内容は、(公社)日本修学旅行協会が、全国の国公立、私立中学校へアンケートを実施した調査結果より作成したものです。
設置者名 | 国立 | 公立 | 私立 | 合計 |
全国校数 | 68 | 9,164 | 780 | 10,012 |
抽出校数 | 68 | 2,574 | 558 | 3,200 |
回答校数 | 12 | 669 | 174 | 855 |
調査全体の詳細は、(公社)日本修学旅行協会発行の「教育旅行年報データブック2023」をご確認ください。
目次
(1)中学校の修学旅行の実施状況について
⇒コロナの影響により中止を余儀なくされた学校もありましたが、今年度の修学旅行の実施率は98.4%と、ほとんどの学校が実施できる状況まで回復しました。
(2)修学旅行の実施時期について
前年度(2021年度)との比較
⇒2021年度は、緊急事態宣言によって、春先の修学旅行を秋への実施に変更するなどの対応がありました。
しかし、国公立の学校においては、2022年度には5、6月実施が増え、通常のスケジュールに戻りつつあることが分かります。
コロナ以前(2019年度)との比較
コロナ以前(2019年度)⇒今回調査(2022年度)
・春の実施率(4月~6月):全体の75%⇒53% (△22%)
・秋の実施率(9月~11月):全体の14%⇒26% (+12%)
※国公立の学校における実施状況(私立の学校を除く)
⇒コロナ以前と比較すると、実施時期は完全に元通りということではなく、秋の実施も増えつつあることがうかがえます。
実施時期が分散することは、宿泊施設やバスの予約もとりやすくなったりと、コロナ禍における変化は悪いことばかりではなかったのかもしれません。
(3)修学旅行の行先ランキングについて
★1:関東方面の修学旅行が完全復活!
コロナ禍では、感染リスクの低い地方への方面変更を検討した学校が多くありました。
しかしコロナ禍を経て、東京や千葉などの都心、またはディズニーランドへの修学旅行が完全に復活したことがうかがえます。
★2:修学旅行先として、新たに注目されている都道府県は?
コロナ前(2019)と比較すると、上位16都道府県は、順位は違えど構成する県は全く同じです。
注目すべき点は、コロナ以前は圏外だった【石川・香川・三重・岐阜県】の4県。
石川県(北陸)
金沢城公園を中心に半径2km圏内に観光地がまとまっているため、徒歩や周遊バス等による班別行動がしやすいことが人気となった理由として挙げられます。
また、2024年の春には北陸新幹線:金沢~福井・敦賀間が開業予定であることで、北陸方面への注目が集まっています。
香川県(四国)
(公財)高松観光コンベンション・ビューロー観光振興部では、旅行会社向けの「修学旅行誘致促進事業助成金」を継続されていることも人気の1つです。
また、小豆島での自然体験や、四国での民泊・農泊も人気であり、近隣の観光素材も充実しています。
岐阜県(中部)
岐阜県は、ユネスコ世界文化遺産「白川郷合掌造り集落」、江戸時代の面影が色濃く残る「中山道」、匠の技が光る美濃和紙、関の刃物、美濃焼、飛騨の木工など…教育旅行に適した観光素材が多く存在します。
三重県(中部)
三重県では、ユニバーサルスタジオジャパンの代替として、「長島スパーランド」が行先として大人気となりました。
その他、伊勢志摩では積極的な教育旅行誘致をされており、豊富な体験プログラムが人気です♪
(4)体験活動実施状況について
⇒体験活動実施率は、全体で 58.4%と、前回(66%)から 7.6ポイント減少しています。
しかし、コロナ以前の2019年(53.2%)と比較すると、5.2ポイント増えたことが分かります。
体験活動の教育効果が高いことは言うまでもなく、コロナ禍を経て、その効果が実感できた学校が増えたことが考えられます。
(5)重点をおいた体験活動について
★1:新たに「生業・くらし体験」がランクイン!
⇒「生業・くらし体験」とは、農業、林業、酪農、漁業、田舎暮らし体験のことを指します。
コロナ禍では難しかった「民泊」の実施が増えたことからランクインしたと考えられます。
★2:自然・環境・科学学習/ものづくり体験の人気が継続!
京都・奈良での「歴史学習」が不動の1位であることは言わずもがなですが、「自然・環境・科学学習」と「ものづくり体験」も、人気の体験活動として注目されていることがわかります。
(1)自然・環境・科学学習
自然・環境学習は、その旅行先ならではの環境保全や取り組みを学ぶことができると人気です。
また、学校現場ではなかなか教えることが難しい「SDGs」をテーマに、環境問題について学べる体験学習を取り入れたいという学校が増えてきています。
(2)ものづくり体験
実際に手を動かしながらの体験で、伝統工芸品やその地域に根付いた文化を楽しみながら学べるのが特徴です。
また、作ったものをおみやげとして持ち帰ることができることも人気の理由の1つです。
【pick up!】滋賀・琵琶湖の自然体験学習施設について
滋賀・琵琶湖の自然体験学習施設「BSCウォータースポーツセンター」なら・・・
★春夏だけじゃない!3月~12月まで幅広く実施が可能!
⇒春夏だけではなく、秋冬の時期も琵琶湖でのウォータースポーツをお楽しみいただけます♪
★バスがとれなくても大丈夫!電車でのアクセスも抜群!
⇒修学旅行先ランキング1位だった「京都」からも電車で約40分と好アクセスです!
※「JR京都駅」⇒最寄り駅「JR蓬莱駅」⇒徒歩7分⇒BSC
★人気の体験活動「自然・環境学習」×「ものづくり」が一度に楽しめるプランが新登場!
⇒立命館大学 経済学部 環境経済学「寺脇拓ゼミ」のSDGs推進プロジェクト『ヨシストロー』の普及活動の取り組みを、共同で体験プログラム化!
SDGs達成に向けた環境づくりのために、地域の資源をどのように活用し社会に広めていくのか、大学生の素敵なアイデアから学びます。
※詳しくは公式HPの教育旅行ページをcheck!:https://bsc-int.co.jp/nature/education
【まとめ】中学校の修学旅行の実態
★ほとんどの学校が修学旅行を実施することができた
★実施時期は、特に国公立において秋の実施が増えたりと、幅広くなった
★修学旅行の行先は、コロナ禍を経て北陸、四国、中部地方などの新たな選択肢がうまれた
⇒コロナ禍を経て、コロナ以前の状況の元通りになるのではなく、今までの当たり前に少し変化が現れました。
特に実施時期が分散されることは、宿泊施設やバスの予約も集中することなく予約しやすいというメリットがあります。
特に2024年以降は、バスの運転手不足により、バスの確保も難しくなると言われています。
コロナ禍での柔軟な対応や修学旅行における変化が、今後よい方向につながればと願います。